「追い出し稽古」で感じた、子供の成長

館長コラム・講演・対談 2017年4月3日
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春は別れと新たな出会いの季節。
 
先月、今春小学校を卒業した小学6年生男児の「追い出し稽古」をやりました!
 
 
文武一道塾 志道館は、幼児や小学校低学年が多いので、主役である小6男児は専ら「受け」。
「受け」は一見簡単な様に見えて難しいものです。特に相手が幼児ともなると、尚更です。
上手に「受ける」ためには、まずは自分自身が柔道の一つ一つの技について、その理合いを理解しなければいけません。この技に対しては、こう受けると相手が技を掛けやすい、こう動くと技を掛けにくい等々。そして、相手の力量を見極め相手の良いところ、限界を引き出してあげることも必要です。何よりも、人間的な成長がないと「受け」に徹するには難しいものです。なので、志道館では普段の稽古から少年部の先輩が、幼年部の子の「受け」をすることにも重点を置いています。
 
「追い出し稽古」で、彼(小6男児)は見事な「受け」を披露してくれました。私にとって何よりも嬉しく美しい光景でした。彼自身の人間的な成長と、柔道の奥深さを改めて感じた一日でした。

 
 
最後に、相田みつをさんの詩を紹介して終わりにしたいと思います。
 

 

「受身 -負ける練習-」 相田みつを
 
 
 
柔道の基本は受身
受身とは投げ飛ばされる練習 人の前で叩きつけられる練習
人の前でころぶ練習 人の前で負ける練習です。

 

つまり、人の前で失敗をしたり、恥をさらす練習です。
自分のカッコの悪さを
多くの人の前で、ぶざまにさらけ出す練習
それが受身です。

 

柔道の基本では
カッコよく勝つことを教えない
素直にころぶことを教える いさぎよく負けることを教える

 

長い人生には
カッコよく勝つことよりも
ぶざまに負けたり
だらしなく恥をさらすことのほうが はるかに多いからです。
だから柔道では 初めに負け方を教える
しかも、本腰を入れて 負けることを教える
その代わり
ころんでもすぐ起き上がる 負けてもすぐ立ち直る
それが受身の極意 
 極意が身につけば達人だ

 

若者よ 失敗を気にするな
負けるときにはさらりと負けるがいい
口惜しいときには「こんちくしょう!!」
と、正直に叫ぶがいい 弁解なんか一切するな
泣きたいときには 思いきり泣くがいい
やせ我慢などすることはない

 

そのかわり
スカッーと泣いて ケロリと止めるんだ
早くから勝つことを覚えるな
負けることをうんと学べ 恥をさらすことにうまくなれ
そして下積みや下働きの 苦しみをたっぷり体験することだ
体験したものは身につく
身についたものー それはほんものだ

 

若者よ
頭と体のやわらかいうちに 受身をうんと習っておけ
受身さえ身につけておけば
何回失敗しても
すぐに立ち直ることができるから……

 

そして
負け方や受身の ほんとうに身についた人間が
世の中の悲しみや苦しみに耐えて
ひと(他人)の胸の痛みを 心の底から理解できる
やさしく暖かい人間になれるんです

 

そういう悲しみに耐えた 暖かいこころの人間のことを
観音さま、仏さま、と呼ぶんです。

 

 

 
 
 
 
館長・坂東真夕子
 
 
 

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