新宿区少年少女柔道大会(2017.3.12)に出場しました!

館長(コラム・講演・対談) 2017年3月14日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 先日(2017年3月12日)、昨年に引き続き新宿区少年少女柔道大会に小学生10名、中学生1名が出場しました。
文武一道塾 志道館にとっては、年に一回の公式戦になります。初出場だった昨年は、全員初戦敗退。
今年は、全員一回戦突破を目標にして、大会に臨みました!
 

 
 結果は、小学生1名が一回戦を一本勝ちしましたが、二回戦で敗退。他の子どもたちは、昨年と同じく一回戦敗退となりました。
大会全体を見て感じたこと…試合に勝つためには、小学生低学年であっても「勝つための技術」と「試合勘」「試合慣れ」が必要。しかし、これはあくまで私の個人的な考えになりますが「勝つための技術」や「試合勘」「試合慣れ」は、小学生のうちは必要ないと考えています。人生で初めて習う柔道、それは子ども達にとって生涯に渡り柔道に携わっていく入口だと思っています。その入口は、勝負云々ではなく「柔道」の基礎を養い、「柔道」を通して基礎体力を高め、礼儀礼節、人の痛みを知り、何よりも本人たちが「柔道が楽しい」そう思えるだけで充分ではないでしょうか。
私自身の経験から、また、選手時代に様々な自分以外の選手を見て来た経験から、競技柔道は中学生からで充分だと考えています。
 

 
 数ヶ月前に読んだ「GRIT やり抜く力(アンジェラ・ダックワース=著/神崎 朗子=訳)」という本にも下記の様なことが述べられていました。

 

●最初に厳しくしすぎると「取り返し」がつかなくなる
スポーツ心理学者のジャン・コティは、この最初の段階(※)でのびのびと、遊びを通して興味を持ち、さらに興味を深めておかないと、将来、悲惨な結果を招く恐れがあることをつきとめた。
〈中略〉
この段階(※)を省いて、いきなり専門分野で集中トレーニングを受けた選手たちは、経験の浅い選手たちと競争した場合、最初のうちは明らかに有利だ。しかしコティの研究では、そのような選手たちは負傷したり、燃え尽き症候群に陥ったりする確率が高いことがわかっている。
ここで伝えたいのは、エキスパートと初心者では動機付けの方法が異なって当然だということだ。初心者のうちは、自分が本当に楽しいと思うものを見つけるために、周囲の励ましや、ある程度の自由が必要だ。ちょっとした達成感を味わったり、ほめられてうれしくなったりすることも必要だ。
もちろん、少しは批判されたり、まちがいを正されたりする必要もあるし、練習する必要もある。だがこの段階では、やりすぎは禁物であり、あせってはいけない。初心者のうちにあまり厳しくすると、せっかく芽生えた興味が台なしになってします。いちどそうなったら、取り返しはつかないと思ったほうがいい。

※(筆者注)興味のあることを見つけて掘り下げていく段階を、心理学者ベンジャミン・ブルームは「初期」と呼んでいます。上記抜粋で出て来る段階とは、この「初期」を指します。ブルームは、世界で活躍する120名の人々に加えて、その両親やコーチや教師たちにもインタビューを行なった結果、「スキルは3つの段階を経て進歩し、各段階につき数年を要する」と述べています。

 

 

 一回戦突破を目標にしていた子供たちも、豪快に負けた後しおらしい姿を見せたのは一瞬で、みんな元気に他の子の応援をして、元気にお昼ご飯を食べて、元気に帰って行きました。
内心「もう少し粘れた試合もあるかなー」とは思いましたが、怪我なく無事に終われたことに感謝します。
みんな大会前の3つの約束も果たしてくれました。
 

今年も3月12日(日)【新宿区柔道大会】に出場します!
 

 
 これがデビュー戦となった中学生男子は、一回戦を一本勝ちし、二回戦で一本負け。敗者復活戦に回り、初戦は一本勝ち。二回戦目で一本負け。4戦2勝2敗という結果でした。彼は、志道館で本格的に柔道を始めて、まだ1年2ヶ月。毎稽古、強くて元気なお兄さんやおじさま達に揉まれています。いい所と課題点が浮き彫りになった試合でしたが、デビュー戦で4試合もできてきっと自信にもなったことでしょう。次回は優勝目指して頑張って欲しいと思います。
 

 

 思い起こせば、私のデビュー戦は、中学1年生の秋に開催された高知県中学新人戦。柔道を始めて約半年後のことでした。結果は、初戦敗退。それ以後、10数年の間に、何百試合したことでしょう。当時は、試合に勝つことが全て、試合に負けた時は自分がやってきたこと全てを否定された様な絶望感に苛まれました。しかし、今思い返すと全てが思い出、そしていい人生経験です。
 

 

 柔道人生を歩み始めた子供たちにも、柔道を通して、これからもたくさんの経験を積んで、その経験を自分自身の人生に役立てて欲しいと思います。

 

 
 

 
館長・坂東真夕子

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するオススメの記事

【子ども×柔道】柔道場は人の成長を促す空間...

幼児・小学生クラス<稽古風景> 2022年2月18日

柔道にはあって、他のスポーツ・武道にはない物の一つが「柔道場」です。 「柔道場」には柔道専用の畳(=柔道畳)が敷かれ...

幼児・小学生クラス<稽古風景>

【子ども×柔道】柔道場は人の成長を促す空間...

2022年2月18日 07:40

柔道にはあって、他のスポーツ・武道にはない物の一つが「柔道場」です。 「柔道場」には柔道専用の畳(=柔道畳)が敷かれ...

続きを見る

稽古風景(2016・6・7)〜チーム制で協力して...

幼児・小学生クラス<稽古風景> 2016年6月7日

今日も賑やかにトレーニングが始まりました! 最近はチーム制を取り入れ、楽しく競い合いながらトレーニングしています。 ...

幼児・小学生クラス<稽古風景>

稽古風景(2016・6・7)〜チーム制で協力して...

2016年6月7日 07:48

今日も賑やかにトレーニングが始まりました! 最近はチーム制を取り入れ、楽しく競い合いながらトレーニングしています。 ...

続きを見る

【幼児・小学生クラス】右組左組

幼児・小学生クラス<稽古風景> 2022年9月24日

柔道には右組と左組があります。 同じ技でも右組でかける場合と左組でかける場合とでは体の動かし方や使い方が異なります。 ...

幼児・小学生クラス<稽古風景>

【幼児・小学生クラス】右組左組

2022年9月24日 11:35

柔道には右組と左組があります。 同じ技でも右組でかける場合と左組でかける場合とでは体の動かし方や使い方が異なります。 ...

続きを見る