柔道を通して「愛国心」を育む〜文武一道塾 志道館の考える「愛国心」とは?〜

館長(コラム・講演・対談) 2017年4月14日
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私が考える「愛国心」

 
武者小路実篤・著「友情」という作品にこんな言葉があります。

自信の強いことはいいことだが、他人の長所を認めないことで自信を無理につくろうとするのは醜い。他人の長所は何処までも認め、又他人を何処までも成長させて、他人の価値を十分認めた上の自信は美しい。しかし本当の自信が持てないものは、とにかく他人の長所を見ずに短所を見出してはかなき優越感を愉しむ。

 
上記の「自信」を「愛国心」に、「他人」を「他国」に置き換えると、本当の「愛国心」とはどういうことなのかがよく分かると思います。祖国への健全な愛や肯定感がなければ、他国の文化を認めたり、他国の人々が持つ多様な価値観を認めることができないと思います。
つまりは「愛国心」とは、自己の土台であり自分自身の世界を広げる第一歩だと思うのです。
 
 
〈参照/過去記事より〉
国家観とは?日本人とは?〜山本みずき氏の講演に触れて〜
 
https://www.bunbuichido.net/nationalism/
 
 

柔道と「愛国心」

 
柔道は一人の日本人によって生み出された日本発祥の武道です。
 
1884年嘉納治五郎師範によって生み出された柔道は、1964年東京オリンピックに正式採用され、今や世界中で愛される武道になりました(2010年には国際柔道連盟加盟国・地域が200に達しています)。
開発途上国にも柔道場があります。どんな小さな道場にも創始者である嘉納治五郎師範のお写真が掲げられています。私自身にとって、その光景は一人の日本人としてとても誇らしいものです。また、嘉納師範が提唱された「精力善用・自他共栄」という言葉は、私たち日本人の精神であると言っても過言ではありません。
海外に行く時、現地の入国審査で「柔道を教えに来たんだ」と言うと、それまで難しい顔をしていた現地の審査官も「Oh!JUDO!」と言って喜んでくれます。海外の人から見ると、「柔道=日本、日本人」であり、柔道に対して好意的であることを、海外では肌で感じることができます。
柔道を習う・学ぶということは、自ずと日本人精神や日本の文化を知り、日本に対して誇りを持つ事に繋がり、それが健全な「愛国心」を育むのだと私は考えています。そして「愛国心」という根っこを持つ人こそが、真の国際人、グローバル人材として世界で活躍できる人材となり得るのでしょう。

 
 

文武一道塾 志道館に通う子供たちも、今はまだその意味が分からなかったとしても、幼少時代に柔道に慣れ親しんだことの尊さを理解、体感する時がきっと来ると信じています。
そしてその柔道の素晴らしさを世界中に発信できる人になって欲しいと願い、今日も私は道場に立つのです。

 
 
 

館長・坂東真夕子

 

 

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