オリンピック所感〜国を背負って戦うということ〜

館長(コラム・講演・対談) 2016年8月9日
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国を背負って闘うということ

 

リオデジャネイロオリンピック柔道競技、連日の日本人選手の活躍は嬉しい限りです。

日本人選手のテレビ越しに伝わってくる、気迫溢れる試合には感動と敬意しかありません。

そんな日本人選手同様、見ていて印象的だったのは、女子−52kg級金メダリスト マイリンダ・ケルメンディ選手(コソボ)と女子−57kg級金メダリスト ラファエラ・シルバ選手(ブラジル)です。

両選手共に、様々な事情を抱えた祖国を背負い、祖国の為に闘う姿がありました。

 

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国内の紛争とか、貧困街とか、私たち日本人には想像もできないことかも知れません。

オリンピックの報道は、日本人選手のメダルの色や、メダルの個数、そういったことが中心になります。しかし、オリンピック出場選手ひとり一人の背景には、様々な国家があるんだということ、日本人選手同様、海外の選手も、祖国の威信や様々なものを背負って、畳の上に立っているんだということ、そんなことを、両選手を通して改めて感じることができました。

 

 

日の丸・君が代

 

私は高校3年生の時に、国際大会に初めて出場しました。ドイツジュニア国際という、小さな国際大会でしたが、初めて日の丸を付けた柔道着に手を通した時の嬉しさは、今でも忘れられません。

私は初戦敗退でしたが、一緒に大会に出場した日本人選手2人が優勝しました。表彰式では、メインポールに日の丸が掲げられ、君が代が会場内に響き渡りました。観客はこの時、スタンディングオベーションで、勝者を讃えます。自分は試合には負けてしまいましたが、海外の地に掲げられた「日の丸」、海外の地で聞く「君が代」には、深い感動と誇りを覚えました。「いつか自分の力で、メインポールに日の丸を掲げるんだ!」そんな思いが込み上げてきました。

結局、自分の力でその思いを実現することはできませんでしたが、私はオリンピックの表彰式を見るのが今でも大好きです。メインポールに「日の丸」が掲げられ、「君が代」が流れる映像は、試合を見るよりも感動してしまいます。

 

 2020年に向けて

 

メダルの色や個数だけではなく、私たち日本国民ひとり一人が、祖国・日本に誇りを持ち、海外の様々な国家に対して思いを馳せる…2020年東京オリンピックが、そんな機会になればいいと思います。

 

 

 

 

館長・坂東真夕子

 

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