「静」の稽古の大切さ~港南道場子どもクラスの成長~

港南道場 2019年7月2日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

港南道場の子どもたちは、そのほとんどが志道館で柔道を始めました。柔道場に通うことにも少しずつ慣れ、柔道や学習を一所懸命頑張っています。
最近は、「けじめ」のある稽古ができるようになってきました。楽しむ時は楽しむ、真剣にやる時は真剣にやる、というメリハリがつき、稽古内容は徐々に進歩しています。

 

稽古の質が上がった要因は、「静」の所作が身についたことにあると考えています。柔道を始めたばかりの子どもたちは、「気をつけ」や「立礼」をうまくできません。「つま先を開くよ」、「柔道の礼は手を前にするよ」と繰り返し、何度も教えます。「正座」と「座礼」は更にハードルが高く、慣れない姿勢で座ることは、とても疲れるようです。 しかし、1ヶ月も経つと、「気をつけ」・「立礼」・「正座」・「座礼」の4つの形が整いだします。 正しい動きを体にしみこませるための反復練習は、これから先の技術習得においても必要です。また、この4つは、相手に対して敬意を伝えるために、きちんと覚えなくてはいけません。そういった意味で、ここが「稽古の第一歩」なのです。
 
img_2655.png
 
打ち込みや乱取り、トレーニングといった「動」の稽古を安全に行うためにも、この「静」の稽古が必要です。「先生の説明をよく聴く」、「相手に礼をする」といった僅かな「静」の時間を作ることが、稽古への集中につながります。4つの所作が身につくと「自制心」が芽生えるのかもしれません。
自然と心が落ちつき、自分勝手な行動も減ってきます。「形が心をつくる」とは、まさにこのことでしょう。
 
 

 
※コラム「礼」は身を助く~柔道で「お辞儀名人」になる~ 参照
 

 
 
志道館では、柔道の稽古以外にも「静」の時間を大切にしています。稽古前後の「学習」、稽古内容を振り返る「志ノート」、正座で行う「志道館五訓の復唱」や「古典の素読」です。これらを通して、頭や心を鍛えるだけでなく、「集中力」や「忍耐力」も養うことができます。
意外かもしれませんが、子どもたちは、この時間も楽しそうです。特に『実語教』の素読は人気があり、自主練習をしてくるお子さんもいます。
 
港南道場が、本格的に始動してから約5ヶ月が経ちました。この短期間の中でも、様々な変化があったと思います。
今回ご紹介した子どもたちの成長も、その内の1つです。まだまだ教えるべきことは沢山ありますが、子どもたちが、柔道という「道」を確実に歩み始めたことをとても嬉しく思っています。
1年後、3年後、10年後…、子どもたちとこの道場がどのように成長しているか、とても楽しみです。
 
 
 
 
 
 

 
 
 

綾川 浩史
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するオススメの記事

【子ども×運動系習い事】柔道を通して一番伝...

幼児・小学生クラス<稽古風景> 2023年5月26日

柔道の「受身(うけみ)」は「自分を大切にする」方法。 柔道は豪快な投技(なげわざ)が魅力である一方で、その対極にある...

幼児・小学生クラス<稽古風景>

【子ども×運動系習い事】柔道を通して一番伝...

2023年5月26日 16:41

柔道の「受身(うけみ)」は「自分を大切にする」方法。 柔道は豪快な投技(なげわざ)が魅力である一方で、その対極にある...

続きを見る

【柔道場×英語】精力善用 自他共栄 English Ver.

小学生クラス<柔道場で英語を学ぼう> 2022年3月1日

四ッ谷本部道場 小学生英語基礎クラスでは、柔道に関係する言葉も英語で学んでいます。     柔道と英語があれば...

小学生クラス<柔道場で英語を学ぼう>

【柔道場×英語】精力善用 自他共栄 English Ver.

2022年3月1日 00:52

四ッ谷本部道場 小学生英語基礎クラスでは、柔道に関係する言葉も英語で学んでいます。     柔道と英語があれば...

続きを見る

学習環境についてのこだわり〜”集中”をいかに...

港南道場 2021年7月15日

港南道場は報知新聞社の中にあります。   以前は印刷用の輪転機が置かれ、その後しばらくは倉庫として放置されてい...

港南道場

学習環境についてのこだわり〜”集中”をいかに...

2021年7月15日 08:40

港南道場は報知新聞社の中にあります。   以前は印刷用の輪転機が置かれ、その後しばらくは倉庫として放置されてい...

続きを見る