ありがとう!港南道場

港南道場 2022年4月6日
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報知新聞社の本社移転に伴い2022年3月末を持って文武一道塾 志道館 港南道場を閉鎖することとなりました。
 
 
港南道場をこれからさらに盛り立てていこうと思っていた矢先の出来事でした。
移転を告げられてからの数ヶ月のことは、もはや思い出せないくらいあっという間でした。
 
いつも通り稽古を進めながら4月以降の活動をどうするべきか考える毎日。
目の前のことと未来のことを同時に検討しなければならず、必死でした。
 
何ごとも、はじめるよりは終わらせることの方がしんどいもの。
“有終の美を飾る”なんておおげさに言うつもりはありませんが、せめて関わってくださった方々が気持ちよく一区切りできるようにと、努めました。
 
 

 
道場の畳を運び出し、愛着のある道具類を整理し、道場を掃除したらあっという間に元の様子に戻りました。
「あっけないなぁ」
 
これが率直な印象です。
 
 
今ではいろんな出来事が頭をよぎります。
これを機に港南道場のはじまりから終わりまで振り返ってみたいと思います。
 
 
 

新聞社から一本のメールが届く

 
2018年に報知新聞社の方から一報がありました。

「近隣のご家庭、子どもたちのために地域貢献になる活動をしたい」という話をお聞きし

志道館として何ができるか、熟考を重ねました。
何度も報知新聞社の方々と話をし、道場開設の運びとなりました。
 
 

 
港南道場 ほぼ完成

https://www.bunbuichido.net/20181212column/
 

 

 
報知新聞本社内に空きスペースとして長らく放置されていた、がらんとした空間。
そこに畳を敷き、更衣室を作り、勉強スペースを整え、なんとか道場としての形を成したのが2019年の1月。
 
2つ目の道場誕生ということで、希望に燃えていました。
 

2019年1月20日(日)港南道場のお披露目・篠原信一さんを招いて柔道教室

 

 

 
港南道場のお披露目
オリンピック 銀メダリスト 篠原信一さんを招いて柔道教室を開催!
https://www.bunbuichido.net/20190120shinichisinohara-judo-event/
 

 
 
近隣に住むご家族から柔道教室への参加申込みもあり、数名の子どもたちが初めて柔道に触れました。
体験会の中から、のちに入門してくれるお子様もいらっしゃいました。
 
うまれたてほやほやの道場を知ってもらいたい、柔道に興味を持ってもらいたい。
そんな気持ちで開催した柔道教室だったので、このイベントをきっかけに入門してくださったのはとても嬉しかったです。
 
 

志道館ふたつ目の道場が始動

 
港南道場のまとめ役として、綾川 浩史氏が入社。
館長のコラムを読み込み、その想いに共鳴し、参入してくれました。
 
 

 
綾川 浩史氏 ご挨拶
https://www.bunbuichido.net/20190409ayakawa-column/
 

 
 
 

柔道で国際交流

 
中国から来た子供たちに、日本の柔道を体験してもらう交流会も実施されました。
 

 

 
港南道場で日中柔道交流
https://www.bunbuichido.net/20190206column/
 

 
 

映像を映しながら「世界柔道選手権東京大会振り返り企画」

 
技と技のぶつかり合い、選手たちの柔道を見て学ぼう!ということで
こんな企画も実施されました。

 

 

 
成年部特別企画「世界柔道選手権東京大会を振り返る」〜やっぱり柔道は奥が深い!面白い!〜
https://www.bunbuichido.net/20191111ayakawa-column/

 

 
日曜日は、成年部の合同稽古日。
四ツ谷本部道場、港南道場を合わせて毎回20名前後の塾生様が集まります。
 

 
この日は大会の様子を上映しながら指導者が解説。
その後、映像で見た技を再現してみるなど、稽古を通して柔道の奥深さに触れました。
 
 
 
 
 

忍び寄る、新型コロナウイルスの脅威

 
2019年12月。
 
対岸の中国で「原因不明の肺炎の集団感染」が確認された時にはニュースを見ていてもさほど関心は湧かず、まさに人ごとのように感じていました。
しかしその翌年、2020年1月下旬あたりから見えない脅威が日本にも迫りました。
 
当時は、こんなにも拡大し、こんなにも長引くと思っていませんでした。
 
 

奇跡的なタイミング!岡野功先生をお招きして開催した第6回志道館杯

 

 
志道館では、年に1度、子供たちが頑張ってきた姿を親御様に見ていただくべく《志道館杯》を実施しています。
これまでの練習の集大成を発揮する場でもありますが、
この日は四ツ谷本部道場と港南道場の子供たちが交流する機会ともなり、多くの子供たちの歓声で賑わいました。
 
毎年、一流選手や柔道家を招いて「柔道教室」もやっており、この時のゲスト・特別講師はなんと岡野功先生でした。
 
 
 
 

 
2020年1月 第6回志道館杯 大会レポート
https://www.bunbuichido.net/20200119shidokanhai-report/
 

 
 

 
綾川先生による 大会の振り返り
https://www.bunbuichido.net/20200205ayakawa-column/
 

 
 
今思うと、あの時期に開催できたのは、まさに奇跡的なタイミングでした。
(あれから2年。志道館杯は開催できていません。)
 

 
2020年3月。
1年間、館長補佐、港南道場の責任者として頑張ってくれた綾川先生が任期を終了。
稽古を制限しはじめていた時期でもあり、ちゃんとさよならを言えなかった子どもたちもいました。
 
 
 
 

2020年4月。東京都にも緊急事態宣言、発令

 
緊急事態宣言中は、道場をお休みにせざるを得ませんでした。
いつ柔道ができるようになるか、いつ子どもたちと再会できるか、心待ちにする日々が続きました。
休業期間中は、コロナ禍でどう柔道稽古を進めるべきか、思案し続けました。
 
換気の問題をどうするか?
マスクは?
消毒はどこからどこまで?
考えても考え足りないほど、やることは山積みでした。
 
 
 
綾川先生の後任として入ってくれたのは野尻麻美さんです。
 

 
「柔道衣教材」作ってみました! 色と言葉で柔道衣の名称と組み手を覚えよう。
https://www.bunbuichido.net/judoi-nojiri-column/
 

 
 
子どもクラスの先生、成年部の女性クラスの指導者として工夫しながら真摯に稽古にあたる姿は、とても清々しいものがありました。
 
崩しの方向は8 答えを教える
 
2020年秋には道場を離れることとなりましたが野尻先生が熱心に指導してくれたおかげで子供たちはいろんな技ができるようになっていました。
 
 
野尻先生の退職をきっかけに、新しい女性指導者を数名迎えることとなりました。
坂東館長がかつての柔道仲間に声をかけたり、ご紹介をいただいたりして、総勢11名の女性指導者と出会うことができました。
さまざまなバックボーンを持つ女性柔道家たちに出会えたことも、志道館にとって一つの財産となりました。
 
 
 
感染症への対策も色々とやるべきことが見えてきた頃には
だんだんと子どもたちも数が増え賑やかな声が響き渡るようになりました。
 
「仕事帰りに寄りやすい」「広い道場で思いきり柔道ができて楽しい」と成年部の塾生様も増えました。
金曜日と日曜日は四ツ谷本部道場との合同稽古でしたので、80畳ある道場で気持ちのいい汗をかきました。
 
 
 

女子柔道プロモーション映像を撮影!

 
《女子や女性が柔道をはじめるきっかけづくりをしたい》と志道館は常々考えております。
そんな中「女子柔道を盛り上げるため、プロモーション映像を作ろう」という企画が立ち上がり、志道館主導で実施。
港南道場の広さを活かし、撮影会を行いました。
 

 

 
2021年12月
女子柔道プロモーション映像を撮影!
https://www.bunbuichido.net/woman-judo-promotion-movie/
 

 
 
順調に稽古を重ねる中、昨年、報知新聞社移転のニュースが舞い込みました。
 
 
港南道場をこれからどんな形で継続していくか?
新店舗を構えるのか?
場所を借りてやっていくのか?
 
運営陣で毎日のように話合いました。
 
 
 
物件をいくつも見て回りましたが

「騒音が・・・」

「振動が・・・」

「不特定多数の人の出入りがあるのは・・・」

など貸してくれるところは見つかりませんでした。
 
公共の施設を借りようにも、このご時世、貸し出しに積極的なところはありません。

 
 
 
結果的に
「一旦ここで港南道場は閉鎖し、今後の社会情勢を見つつ、再検討しよう」
という結論に至り、ひとまず四ツ谷本部道場での活動に絞って運営していくことになりました。
 
 
 

港南道場の終焉と今後

 
思い返せば
《港南道場の歴史はコロナと共に歩んだ》
と言ってもいいくらい、さまざまに翻弄されました。
 
 
感染症予防の対策をしながら、試行錯誤の連続。
「心の健康を保つためには、体を動かした方がいい。
こんな時こそ、しっかり心身を鍛えるべきだ」と考え道場をお休みにせず、できる限り、稽古できるように整えました。
 
 
まさに、コロナと付き合いながらの港南道場運営でした。
 
今でも言葉にし尽くせないさまざまな想いがあります。
「もっと子どもたちにしてあげられることがあったんじゃないか?」
「まだまだ教えてあげたいこともいっぱいあったのに」
と指導者たちも口々に言っていました。
 
 
今後、どのように品川で稽古が再開できるかわかりませんが
「再始動した時にはぜひ声をかけてほしい」
という親御様のお声も頂戴し、嬉しくも身の引き締まる思いです。
 
 
 
幕切れはあっけないものでしたが、報知新聞の方が声をかけてくださらなかったら港南道場は誕生しませんでした。
港南道場があったからこそ、繋がったご縁がたくさんあります。
 
港南道場の閉鎖は、私たちにとって志なかば、と感じるところはありますが、
ここで過ごした3年ほどの月日は、とても貴重な時間となったのは間違いありません。
 
 
人生何が起きるかわからない。
 
それでも後悔しないように
これからも、前を見て歩みを止めずに、進みたいと思います。
 
 
 
 
館長補佐 近藤
 
 
 
 
 
 
 
 

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